寛容さを認めない無菌国家にイノベーションは起こるのでしょうか?
ひと昔前の営業会議である。ひとり遅刻した若者が・・・
「遅くなりました。電車が遅れたものですから」と弁解を言いながら・・
会議室に入った。主催者曰く「今迄に時刻より早く着いた電車を知らない」・・
「なぜ、もうひと列車早く乗らない。弛んでいるから遅刻するんだ」と・・・
青筋を立てて、遅刻者を怒鳴った。
「お前のおかげで、このメンバー一人ひとりの時間が奪われたのだぞ」
「どうしてくれるんだ」と10分ほどのお説教・・・怒りを収める時間の方が、
遅れた人の時間よりも長い・・・その方が時間の無駄だと思うのだが。
会議に遅刻するのは「もってのほか」だが・・・
昨今のこの国・・・真正細菌、ウイルス、菌数、寄生生物などの
病原性の汚染物とその生成物を除去するならともかく、
善玉菌であろうが、空気中に浮遊する塵や雑菌までも・・・
全て除去した状態にしないと治らない風潮がありませんか。
横綱が後輩を殴った。どんな事情があろうが暴力は絶対ダメである。
犯罪だと引退させる。飲酒運転は絶対にダメだ。
例え、昨夜の酒が残っていても、アルコールが僅かでも検出されれば犯罪だ。逮捕せよと。
結婚している以上は他の異性に心を動かせば、不倫だ。謝罪せよ。
タバコをポイ捨てなんてとんでもない。罰金刑だ。
外科手術でどれだけ殺菌しても、現実的に微生物を全て排除できない。
感染因子源を完全に疎外することは無理です。
にも拘らず・・・規律、法則、道徳、倫理、習慣、因習に反したならば、
それは間違いだ、謝れ、説明責任を果たせ、削除せよと、無菌状態を確認するまで、
攻め立てる風潮。
清濁合わせ飲んでこそ、世の中なんではないのか・・・・
赤ちゃんだって、産まれた時は無菌状態だが、生きていくうちに、
様々な菌が入り込み、免疫力を付けながら生きていくのではないか。
と、思うのだが、どうもこの国は、全ての微生物を排除しないと納得できない
変な国になってしまったようです。
東京の私鉄の話です。
「定刻9時44分40秒のところ、発車時刻を十二分に確認しないまま、
9時44分20秒に発車してしまいました。大変ご迷惑をおかけし、
深くお詫び申し上げます」と私鉄のHPに謝罪文が掲載された。
どう思われますか。誰に向かって謝罪したのでしょうか。
広報は「発車を知らせる駅の放送が20秒の違いで発車後に流れてしまった」
「謝罪は当社の基準に基づいており、今後も同様の対応をする」とコメント・・
素晴らしい厳格な会社であり、誰かが処分されたようです。
でも、これって賞賛に値するのでしょうか。
私は過剰だと思う。乗客のクレーマーが、20秒早く発車したことを咎めた時、
その対抗処置として謝罪しただけです。マニュアルに沿った謝罪です。
ハートもなければ、誠意も感じられません。
世界は大変革の時代に入りました。
こんな寛容を許さない無菌国家に、時代に打ち勝つインベーションが沸き起こるでしょうか。
憲法9条で軍隊は持たないって、子供でもわかるように書いてあるのに。
自衛のための軍隊はよろしい・・・そんな寛容な国なのに・・・Goto
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