柔毛突起

「百年泥」に仏陀の声が。「おらおらでひとりいぐも」に方言が虚し・・・
仕方がないじゃないですか。愛読書に掲載されているんですから。
ちょっぴり「薹が立って」しまいましたが・・・
文藝春秋3月号に全文掲載された・・第158回芥川賞、受賞二作品を読みました。
このところ、駄作ばかりが受賞する芥川賞。北海道、富良野の・・
劇団の混沌を扱った作品など、選者に劇団トップへの義理でもあるんじゃないか。
そんな不遜な思いまでした・・強引な選考が続いたのですが・・・
今回は、なかなか読み応えが。石井遊佳氏の「百年泥」・・
舞台設定に・・・インドのチェンナイとはびっくりですが、
この作品は、宗教、仏教を深いところで捉えている作品です。
次作が期待されます。仏陀と向き合って欲しいと願います。
久々に大好評なのが、若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」
60万部を突破したそうな。「花火」以来ですね。
74歳がどんな年齢なのかわかりませんが、古希が近づきますと、
「忘れたことも忘れる」・・・そんな高齢をえぐっている。
同世代としては、ドキとする部分に、久々に文章が進む・・
柔毛突起がゆらゆらと揺れる・・・もう吸収することがない高齢化の小腸内壁・・
過去にすがる虚しさが東北弁と微妙にマッチする・・・
でも、後半は雑だね。死ぬ死ぬ死ぬ・・・・・あぶぶぶぶぶ・・・なんだね。
この繰り返しは。終わり良ければ全て良しだが、余韻を感じない。
この作品の限界かな。芥川賞作家は一曲しか売れない歌手に似ている。
次作に期待したいのだが・・・・Goto

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