カムバック寅さん。

これを言っちゃおしめぇよ……そんな強烈なメッセージを。
びっくりな話です。渥美清さんが亡くなって……22年。
49作で終了したハズの「男はつらいよ」、あのフーテンの寅さんが
スクリーンに帰ってくるそうな。
「寅さんを演じるのは渥美さんしかいない」と新作に首を盾に振らなかった
山田洋次監督(86歳)が50作目を撮ると記者会見した。
第1作の公開から50年。心境の変化は奈辺にあるのだろうか。
そもそも「男はつらいよ」はフジテレビで放送されたドラマ。
寅さん、奄美大島でハブの毒にやられて死んじゃった。
それが、視聴者の熱望で、映画化された曰く付き。
どこかで蘇っても不思議はないが、渥美清は戻ってこない。
どんな手法で、どんな展開の映画になるのか。寅さん世代としては気になるところ。
配給元の松竹は「男はつらいよ」50周年プロジェクトを発足、
その目玉企画にするとのこと、すでに山田監督著の『悪童 小説 寅次郎の告白』も
発売された。今年から来年の映画公開まで……日本中が寅さんブームになるってことかな。
さすがに松竹さん。商売が上手い。
「男はつらいよ」の全盛時代は、高度経済成長真っ盛り、日本経済絶好調、
この国が一番輝いてた時代とマッチする。昨今の元気がない日本に、
夢をもう一度ってことも50作目の狙いかも。だとすると、懐古趣味ですね。
「家族はつらいよ」なんて、現代社会を風刺する作品を作り続ける山田監督のこと、
どのような「男はつらいよ」になるのか、興味は尽きないのだが。
果たして山田監督は本当に寅さんを撮りたいのか。私には疑問が拭えない。
でも、撮ると決められたのです。86歳、日本社会に、日本人に……
いやこの国の未来に「それを言っちゃおしめぇよ」という山田流の
強烈なメッセージを残して欲しいものです。Goto

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