新聞の価値・・・・

新聞の衰退は資本主義の岐路でしょうか。民主主義の崩壊でしょうか。
新聞命(しんぶんいのち)の私です。
読売新聞の特集・岐路の資本主義・米国の「ニュース砂漠」・・
「米記者6000人消える」には感じるものがあります。
米国の建国の父たちは、信頼できる情報を誰もが得られる環境こそが
健全な民主主義の柱だと考え、合衆国憲法修正第1条に「報道の自由」を書き込みました。
新聞があらゆるエリアで発行されることが民主主義の原点です。
米国内では04年に8891紙あった新聞。19年末には6736紙に減少・・更に減り続けています。
全米の3143の郡や行政区のうち200を超える地域で新聞がない「ニュース砂漠」の状況です。
原因はデジタル化による環境変化によるものです。19年には約80のデジタル地域メディアが
開設、しかしほぼ同数が閉鎖、デジタルメディアの運営が如何に難しいかを物語っています。
新聞社が生き残るにはどうすれば良いのでしょうか・・・
ニューヨークを拠点とするヘッジファンド・アルデンは08年のリーマン・ショック後、
経営難に陥った新聞社を次々に買収、今や200以上の新聞を発行する業界2位の
新聞社グループにのし上がっています。
投資ファンドグループには、経営難に苦しむ新聞社の救世主として、健全な報道に努めて
貰いたいと思うのですが、現実はそうではないようです。彼らは彼らの宿命として、
報道を担う編集部門で大幅な人員を削減、利益率を最優先しています。
取り分け辺境地域にある小規模で不採算の新聞社は発行曜日の削減や配達地域の縮小、
更には廃刊や吸収合併、記者の賃金カットやリストラなどでコストカットを図っています。
その結果、全米で約6000人の新聞記者が消える事態になっています。
一部では投資ファンドは人員削減や不動産売却で利益を貪り取った末に新聞を殺す。
利益至上主義のハゲタカそのもので、民主主義を破壊し、資本主義をもないがしろにするとの
批判がありますが・・・果たしてそうでしょうか。
そもそも論で恐縮ですが、新聞が廃刊になったりファンドの餌食になるのは、
新聞社の経営者が怠慢だからではないでしょうか。読者の新聞離れは
新聞メディアがその価値を失ったからです。国民が新聞を読まなくなったことが要因です。
また、買収されコストカットされた記者たちが「このままでは各地でメディアが喰い尽くされ
地域コミュニティーが崩壊してしまう」と警鐘を鳴らしていますが、
それも間違いではないでしょうか。新聞記者は自分たちだけが「報道の自由」を守り、
民主主義の健全な守護者だとの思いは思い上がりに過ぎません。
現にあれだけ新聞の危機が叫ばれ、窮地に陥ったと言われた、
ニューヨークタイムズもワシントンポストも報道の質を落すことなく
経営的にも見事に復活したではないですか。新聞の衰退を招いたのは経営者の怠慢です。
そこに思いを馳せない限り米国の「ニュース砂漠」も記者が減り続けることも、
必然ではないでしょうか。日本の新聞社も他山の石としてもらいたいものです。Goto

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