商社が都市を創る

自動車・半導体とは一味違う、日本文化の輸出・・・

ブログも連続6549回になる。随分遠くへ来たモノだ。
私は執念深い。やると決めたらやる。やってきた。
どこまでやるのか・・・ここまで北のだから死ぬまで・・・と思っているが。

いま、東南アジアで、日本の知恵を生かした「スマートシティ」建設が始まろうとしている。これは単なるビルや道路の輸出ではなく、社会の仕組みそのものを輸出する挑戦だ。思えば日本の宅急便がシステム化され始めた頃、台湾に陸奥流事業を持ち込んだ商社があった。結果は結果は時期尚早で流れたが、あの時の発想こそ、今の「仕組みを輸出する」という動きに直結しているのではないか。

日本には他国にない「生活の叡智がある」住宅産業はその代表だ。温暖地から寒冷地まで、多様な気候に合わせて設計され、狭小地を生かし、断熱や耐震を徹底
してきた。四季に寄り添いながら編み出した住宅の知恵は、まさに日本独自の文化資産である。これを海外に輸出することは、日本の強みをそのまま世界に届けることにつながる。

この可能性を産業として形にできるのは誰か。
私は、日本が誇る産業・総合商社だと確信している。
商社は単なる仲介業ではない。国と国を結び、金融・物流・不動産・エネルギーといった複雑な要素を束ね、巨大な仕組みを創り出す「国の器量」を持つ存在だ。

その象徴が住友商事の北ハノイスマートシティプロジェクトだ。総事業費42億ドル。18年投資承認を得ながらも、政権事情で停滞したが、8年の歳月を経て再始動した。土地造成からインフラ・小売・工業団地まで手掛けてきた住友商事だからこそ、ここまで粘り強く推進できたのだろう。政治的リスクが常に付きまとう東南アジアで、信頼を積み上げて道を切り開く姿には、胸を打たれる。

ベトナム政府は26年以降、年率10%以上の成長を掲げている。
生活水準の向上に伴い、人々はより快適で安心できる住宅環境を求める。その需要を取り込み、新しい都市を形にすることは、日本の商社にとって大きな収益機会であると同時に、世界に「日本の生活文化」を示す場でもある。

私は思う。これからの日本を支える輸出産業は、自動車や半導体だけではない。
日本人が培ってきた生活の知恵と仕組みを、産業として輸出できるかどうか。そこに未来がかかっている。

商社こそが、その先導者である。
商社が日本の生活産業を輸出産業へと変えてくれる・・・
私はその役割に大いに期待したい。そう言えば、商社の株が上がっているのは、
そこを見越した投資家がいるのかも知れない。Goto

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