12年ぶり倒産・高水準

人手不足・円安、物価高・トランプ関税に対応する道・・・

ちょっと暗い話です。
8月、企業倒産が急増した。その原因と対策について考えてみる。
東京商工リサーチの発表によると、負債額1000万以上の倒産減数は805件、
前年同月比11%増。8月としては12年ぶりの高水準になった。

原因はいくつかあるが。人手不足による賃上げ圧力が高まったことが背景に。
内訳を見ると中小企業の倒産が722件と全体の8割を占める。負債総額は1,143億円だ。

負債額が1000万円以上で12年ぶり。以下になると、把握はされていないが、
廃業も含めると数倍では済まないであろう。新規に事業を起こす数を遥かに凌ぐ。となると、日本経済の活力は著しく低下することになる。とりわけ、人口減少が顕著な地方では、街そのものの機能が保てない心配も出てくる。

人手不足を理由にした倒産が23件、8月として過去最高を更新、
特に人件費がかさむサービス業の数は全業種に及び242件。エステなどの美容関連などは充分な人材を確保できず営業活動そのものが困難となっての倒産である。

他には、円安による物価高の影響、建設業の倒産も急増。175件と前年同月比から4割増。運輸業も続く。いずれも下請け業が多い業界。しわ寄せに耐えられず、価格転嫁が難しい場合が多く、今後も倒産件数は高水準での推移が見込まれる。

また、今後はトランプ関税による輸出関連を中心に企業経営の重荷になる可能性がある。帝国データバンクの資産では、25年度の実質GDPの成長率は関税の影響で0.4%低下し、輸出の伸び率が1.5%下がる見込みという。

基幹産業である自動車。輸出産業が関税の影響でコスト削減を求められ、この分野も下請け倒産が増加する可能性は否めない。

人手不足・円安・物価高・トランプ関税・・
倒産増加の原因はこの4点に絞られる。いずれも改善の余地はない。
となると、今後も倒産数は増える。残念だが先行きは暗い。

解決の方法はあるのか。
ある。相当な覚悟がいるが。

先ずは内需の拡大である。自民党の総裁選が実施されている。
新たに選ばれた人が国の舵取りをすることになる。
政治の力で、内需拡大に舵を切ることで、経済を立ち直らせるのは可能だ。

二つは淘汰再編だ。需給のバランスが合致していない業種は淘汰するしかない。
そして再編である。なかなか難しいが経済が収縮するのだからやむをえない。
できない業種は倒産が続くことになる。

もう一つはDX化である。AIの急速な進展により、人手不足をDXで解消する仕組みが進んでいるが、遅い。その原因は政府の保身にある。このスピードを上げるしかない。

最後に、とりわけ、中小企業零細企業の経営者の新陳代謝である。
倒産増加の原因を分析すればするほど、新たな時代の変化に対応できるのは
経験ではない。新たな仕組みを作りだす、エネルギーである。少なくとも高齢の経営者にはそのエネルギーがない。この4点が解消の道だ。

8月の12年ぶり、倒産の高水準にかく思う。Goto

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