掉尾を飾る 〜感謝と共に、この一年を送る〜
激動の2025、一年であった。
振り返れば、穏やかな日ばかりではなかった。だが、だからこそ私は、この一年を「よく生きた一年だった」と胸を張って言える。
一年間、ブログを書き続けてきた。
思いつきではない。迎合でもない。世の風向きに合わせたものでもない。この国のこと、地域のこと、働くこと、人間の在り方について、私なりの覚悟をもって言葉を綴ってきたつもりだ。読み返せば拙い。如何にも未熟だが。
その総括として、晦日にあたり、改めて感謝を記しておきたい。中広グループには、780人の仲間がいる。私たちは、「広告業を通して地域社会に貢献する」という理念を、ぶれることなく貫いてきた。正直に言えば、道はまだ半ばだ。完成形にはほど遠い。だが、ぶれていない。それが何よりありがたい。
AIも積極的に取り込んできた。人を減らすためではない。一人ひとりが「なすべきこと」に集中できる環境をつくるためだ。人間は、人間でしかできない仕事に力を注ぐ。そのために技術がある。順序を間違えなければ、AIは同志となる。
未開の地にも果敢に挑んだ。
営業拠点は105拠点にまで広がった。
まだまだ一つひとつは軟弱だ。風が吹けば揺れる。だが、そこに集った仲間たちは、高い理想と夢を抱いている。私は彼らを「同志」であり「家族」と呼んでいる。同志が、堂々と育ち始めている。家族が自分の足で歩いている。こんなありがたいことはない。
地域生活情報誌は、日本全国34都道府県、176誌、発行部数1250万部にまでなった。それぞれの地域に元気を届け、地域の活性化に寄与できていると、老舗の「kanisan club」(岐阜県可児、美濃加茂地域)は32年を迎える。ようやく自負できる段階に来た。
目標の5000万部までは、あと4倍。以前なら気の遠くなる数字だが、
今は「たった4倍か」と思える。不思議なものだ。
11月には、グループを挙げて社会課題への挑戦にも取り組んだ。児童虐待防止活動、「ニッポンオレンジシンボル運動」。日本中のランドマーク1500か所をオレンジに染めることができた。全メンバーがそこに行って、意義と重要性を熱く語り、理解を求め、ポスターを貼り、オレンジリボンバッチを胸に付けてもらい、街をオレンジに染めてもらった。「虐待だと思ったら189番」——その認知は、確実に広がった。
もちろん、一過性では終わらせない。情報誌で、年間を通してやり続ける。それこそが、地域みっちゃく生活情報誌の存在意義だと、私たちは確信している。
最近、こんなふうに言われるようになった。「中広グループは、上機嫌集団ですね」と。笑顔を絶やさず、物事を肯定的に受け止め、感謝の心を忘れない。情熱と精神的な高まりを併せ持つ集団になりつつある。これは誇りであり、同時に身の引き締まる評価でもある。
そしてこの12月、私は喜寿を迎えた。ここまで生かされてきた。
支えてくれた仲間がいて、家族がいて、地域があった。
一人でできたことなど、何一つない。人間学的に言えば、人生とは「成果」ではなく「関係性」の積み重ねだ。どれだけ稼いだかより、誰と、どんな顔で歩いてきたか。その意味で、私は実に恵まれた一年を過ごさせてもらった。
まさに、掉尾を飾るにふさわしい一年だったと総括する。
感謝しかない。すべてに、ありがとう。後藤拝


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