自治三訣(さんけつ)

メディアは批判より評価を・・・人材山の如し。
あれから2年。被災地・被災者に寄り添ったマスメディアの連日の報道・・・3/11の新聞はいずれも渾身の力を込めた紙面でした。繁忙な日常についつい忘れがちだったあの日を、蘇らせ、考えさせられ、何もできない己の無力を恥じるのだが・・・
被災地からのテレビ報道で、気になったのは。一瞬にして消えてしまった海沿いの街の映像を背景に・・遅々として進まぬ復興の現状を嘆くキャスターたちの政治の責任を問う言葉。立ち入りを禁止されてる福島原発周辺の被災時のままの比較写真を掲載・・政治の無策を暗示させる紙面。
また津波がくるかもしれない海沿いに再び街を作るのか。被曝覚悟で、瓦礫処理を決断するのか。いずれも、この二年間、政治ももちろんだが、関係者が悶々としている課題である。メディアが被災者のやるせない気持ちを代弁するに、なんの戸惑いもないのだが。
でも、どうにもならないことを批判的に報じる姿勢には、疑義を抱かざるを得ない。未曾有の大惨事の解決に奔走しない関係者はいない。その結果がこれではとの批判的な報道もわかるが、
なせ、こうも視点がマイナーなのか?
私はこう思う。船頭多くして舟、山に登るからではないか。大震災の復興例でいつもとりあげられるのが、医師であり官僚で政治家であった明治の偉人・後藤新平。関東大震災直後、帝都復興院総裁として、現在の東京の礎をグランドデザインし、圧倒的なリーダーシップを発揮した。
大風呂敷の新平と揶揄されたが。岐阜で暴漢に刺された板垣退助の治療に駆けつけ「本望でしょう」とうそぶいたり。台湾総督府の民政局長として台湾経営を指揮したり。窮地に陥った読売新聞の経営を引き受けた正力松太郎の懇願に、必要な資金10万円を支援したり。それも自宅の土地を担保に工面するなど。
その豪放磊落な生き様は今も語り継がれるが。彼の政治信条は「人のお世話にならぬよう。人のお世話をするよう。そして報いを求めぬよう」の「自治三訣」を貫いた人でもある。
平成の大震災。その復興にスピード感を期待するのであれば。後藤新平のような潔癖で破天荒な人材を全面に押し出し、それをみんなで後押しする姿勢がなければならないと思う。メディア報道を批判するのではないが、足を引っ張ては誰も、能力を発揮できぬ。
この国は人材山の如しである。後藤新平ような「自治三訣」を持った逸材はいる。そんな逸材にスポットを当てて、復興が前に進むための報道をすべきではないだろうかと感じるGoto

3/11朝日新聞

コメント

  1. Goto より:

    自然が爆発したのです。
    人間が100年かけてコツコツ築いたモノを、
    瞬時に粉砕したのです。糞ったれと、怒りが込み上げますが。でも、また100年掛けて築くしかないのです。メディアにはその視点がありません。なぜか?そんなことは面白くないからです。
    面白いかどうかで、記事や報道は困りものです。
    Goto

  2. リミスキー より:

    おっしゃる通りだと思います。
    批判より、建設的な発言です。
    やはり記者や編集者のレベル低下でしょう。