餅より粉が高いことに・・・

法人実効税率・・・29,97%・・この数字に思惑が入り乱れていませんか?
政府は16年度から法人実効税率を32,11%から29,97%に引き下げる方針を決めた。安倍政権になってから3年で7%以上引き下げることになる。主要国の数字はこうだ。米国40,75%、仏国33,33%、独国29,66%、英国20%、中国25%、韓国24,2%・・・である。
安倍政権は17年度から20%台を公約にしていたが一年前倒しで実施される。私は「企業の競争力を高め、経済の活性化に繋がり」「海外企業の誘致を促す」意味でも引き下げには賛成である。
新聞の社説を見てみよう。毎日・・アベノミクス停滞に焦る政府、減税前倒しをテコに賃上げと設備投資を迫る。だが、企業に圧力をかけるのは筋違い。政府は企業が自発的に賃上げや設備投資に乗り出し、国民が減税に見合った利益を得られるような環境の整備に徹せよ・・・と。
何が言いたいのか、さっぱり分からない。環境整備とは何をするのか?私は法人実効税率を下げることがもっとも分かりやすい環境整備だと思うのだが?
朝日・・・改革の目的は賃上げや設備投資の回復に繋げ経済を元気にすることだ。しかし、改善の傾向はあるが力強さに欠け企業は手元資金を積み上げている。これまでの取組を加速すれば効果が期待できるのか。もっと的を絞った対策はないのか。詰めるべき論点を素通りしている批判している。
アベノミクスの金融緩和によって円安効果が生じ、輸出が増え、手元資金が積み上がっているのではないか。であれば、その資金を賃上げや設備投資に回す。そのために税率を更に引き下げる。その政府の方針以外に、どんな詰めるべき論点があるのか。批判のための批判にすぎない。
・・私は29,97%に引き下げるとした財務省の案に、マジックが隠れていないかを問いたい。
20%台にする見返り、減税財源は企業の事業規模に応じて課す法人事業税(地方税)の外形標準課税を拡大して賄う。赤字企業への課税が強化されることになる。
法人税を支払っていない赤字企業でも自治体のサービスは受けるわけだから「税負担は広く薄く」という公正性の概念に沿ったモノだが。「餅より粉が高い」ことになりはしないか。財務省がそんな計算をしないわけがない。
法人税を引き下げ企業に賃上げや設備投資を迫る政府。もっと下げろと抵抗する企業。他にも方策はないのかと別案を迫るメディア。0,03%切って20%台にして、他の財源確保を目論む財務省。・・・本来の目的は「企業の交際競争力を高め、海外企業の日本誘致を促す」はずなのに、微妙に本質がずれているのはなぜなんでしょうか。Goto

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