懲戒権

こんな悪法を温存させることは、許されない。
政治の役割をこれほど感じる問題はない。
親による体罰禁止を盛り込んだ児童虐待防止法と
児童福祉法の改正案が与野党で合意され、今国会で改正案が成立する。
我が社が発行する「ハッピーメディア」『地域みっちゃく生活情報誌』、
岐阜県内版、群馬県内版、そして東京八王子フリモでは、
毎号、「虐待のない社会実現」に向け「189(いちはやく)番」認知運動を展開している。
189番とは、虐待ではと不審に思ったら、かける電話番号です。
事件、事故だと思ったら110番、火事だったら119番と同じ、
子どもの生命と安全を守る番号です。(最寄りの児童相談所に直結です)
法案の成立は政治が「児童虐待防止」へ一歩踏みこんだと嬉しく思っています。
虐待の根幹は親が「しつけ」を名目に子どもに体罰を容認する懲戒権に起因します。
懲戒権とは民法288条「親権あるものは監護及び教育の必要な範囲で
その子を懲罰することができる」と「しつけ」を容認する権利です。
なんとも旧態然とした封建時代の遺物ではないでしょうか、
改正法案は、体罰を禁止し「懲戒権」廃止に踏み込んだ。
自民党政権は過去にも懲戒権削除、体罰禁止を検討したが、
家庭内でのしつけの在り方に踏み込むことへの抵抗は根強く見送ってきた経緯があります。
懲戒権は、時代が移り代わろうともこの国の封建制度が残る家父長制度だとか、
男尊女卑といった差別意識が根底にあります。
「子どもへの体罰禁止」が明記されたことで、国民意識の深層を抉り出すことは
容易ではないが、懲戒権の見直しに踏み込んだ政治の決断は大きい。
私は思う。懲戒権が存在するということは、人権を否定することであり、
強者が弱者を虐げることを是とする、非人道的な悪法がまかり通ることです。
日本人の差別意識の元凶ではないでしょうか。法案は2年後に懲戒権そのものを見直すと、
明記するが、沙汰止みにならぬことを切に願います。
市井の我々にできることは、少ないが、
虐待のない社会を標榜するハッピーメディアでは、まずは「児童虐待のない社会実現」のため、
微力だが、虐待だと思ったら「189番」認知運動を執拗に繰り返していきたい。
そのことも、ささやかだが懲戒権を葬る活動だからです。Goto

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