臨時国会閉幕

高市政権の真価 ― ねじれを料理するダイナミズムに期待

高市内閣が初めて臨んだ臨時国会が閉幕した。年の瀬を迎え、政治もまた一区切りをつけた感がある。だが現実は厳しい。衆院では無所属を取り込んで辛うじて過半数を維持したが、参院では届かず、ねじれ国会は続く。それでもこの国会は、高市首相の政治手腕を測る試金石だった。首相になりたかったの執念をみた。石破さんとは随分違った。

注目は維新との連立交渉である。公明が離脱。どうする。まさに窮地であった。維新はここぞとばかり目一杯の条件を押し付けた。議員定数の削減、社会保障費の削減、大阪副都心構想の推進。維新も存続を賭けての大勝負だった。

メディアは議員削減を批判しているが、私はむしろ賛成だ。国勢調査に基づき小選挙区を減らすと決めたなら、バサッと四十五削減すればいい。議論より実行が政治の責任だ。そのうえで報酬は二割増やせと言いたい。働く議員には正当に報いるべきだ。働かぬ議員が淘汰されるのなら、むしろ健全である。

他の維新の要求は丸呑みにすべきだ。取り分け副都心構想はぜひ実現して欲しい。あらゆる面、東京一極集中は限界である。だから必要である。道州制にも通じるであろう。改革を進める覚悟を国民は待っている。

高市首相は補正予算を成立させ、ガソリン税廃止やインフラコスト削減など物価高対策にも手を打った。強い経済への執念が感じられる。来年度予算案との整合性にも期待がかかる。がっかりさせないで欲しい。

外交面では、中国との関係悪化を招いた一言が波紋を呼んだが、想定内である。むしろ毅然とした態度を貫けばよい。外相に茂木氏を据えたのは的確だ。彼を使え。やると思う。あかんかったら更迭すればよい。次は河野太郎が控える。

韓国とのシャトル外交を再開し、東アジア共栄圏を見据えた外交が望まれる。
この国会は外交の方向を定めた点で、意義深い。

官邸の布陣も見逃せない。各省庁から経験豊富な官僚を配した(OBも含め)なかなかの人選である。多分だが取り込まれことはない。官僚を使い熟す体制が整った。政治にダイナミズムが戻る兆しである。そう信じたい。

粗探しばかりのメディアを横目に、私は臨時国会を鑑みて高市政権の来年に大いに期待したい。改革と気骨の政治が再び息づくか――。令和の政治に、久々に「熱」を感じた臨時国会であった。ちょっと褒めすぎか?Goto

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