やはり下半期は、荒れる。
一年を二分すると、後半はどうしても生々しい。世の中の本音、国家の地金、人間の浅ましさと気概が、露骨に顔を出す。いやだねぇ。2025年下半期。
私の偏見で、だが目を逸らさず振り返る。
7月。
台湾で最大野党・国民党議員24人のリコールを巡る住民投票。結果はすべて不成立。頼清徳政権にとっては痛手だ。中国の「国民懐柔」は、静かに、しかし確実に進む。台湾情勢を見るにつけ・・・民主主義は万能ではない。だが、他に代案があるのかと問われれば、答えに窮する。
国内では参院選。自公が過半数割れ。日本政治は明らかに転換期に入った。
国民が主役であるという自覚を、国民自身が持たねばならぬ。
そして日産・追浜工場閉鎖。胸が悪くなる。技術も人もあるのに、経営者の保身と私利私欲が企業を壊す。これが典型例だ。神奈川横須賀選出、近未来首相候補筆頭、小泉進次郎先生、そろそろ本気の出番じゃないか。まだ早い? いや、時間は待ってくれない。
8月。
茶道裏千家家元・千玄室氏逝去。102歳。日本文化の背骨が一本抜けた思いだ。改革された高校野球。猛暑対策を施し、沖縄尚学が初優勝。文句なしに拍手を送りたい。
一方、トランプとプーチンがアラスカで会談。ウクライナ抜きで領土割譲を提案。成果はゼロ。「俺ならすぐ解決する」と豪語するが、世界はこの男の言葉遊びに振り回され過ぎている。笑ているのはプーチンだ。
9月。
習近平がロシア、北朝鮮首脳と並び、米本土攻撃可能な兵器を観閲。
中露朝の蜜月を誇示。対するトランプは指をくわえたまま。大丈夫か、米国。
国内ではクマ被害が深刻化。「平和国家はクマにも平和」などと悠長な理屈が飛び交うが、現場は命懸けだ。秋田県知事の悲痛な叫びが、なぜ空回りするのか。都会の机上論が、地方を疲弊させている。
10月。
高市早苗氏、自民党総裁就任。女性初の宰相誕生だ。松下政経塾出身。幸之助翁なら、きっとこう言う。「素直であれ。働け」と。「働いて働いて働く」。この言葉に反応しないのは、働いてこなかった人間だけだ。特に新聞人、月曜休刊はあかん。このままなら土日も休刊になるぞ。胸に手を当てよ。
釜山での米中会談。レアアースを巡りトランプが右往左往。情けない。ウクライナにも、日本近海にもある。資本を投下せよ。関税でしこたま財政は潤っているのだろ。技術を磨く費用もだせ。関税を武器にする前に、国家戦略を持て。
11月。
中国が高市首相の台湾有事発言に過剰反発。渡航自粛、水産物輸入停止。来年はレアアースも止まるだろう。想定内だ。そんな中、ドジャースの大谷、山本、佐々木。彼らがどれほど日本人の誇りを回復してくれたか。心から感謝したい。国際デフリンピック開催。これだ。これこそ日本が、日本らしく世界と向き合える姿だ。
12月。
青森沖地震。震度7級。年の瀬に重い現実を突き付けられた。地震学者諸君、もう事後分析はいらん。予知だ。いつ、どこで、だ。無理だと言うなら、予知などできぬと正直に言え。それもまた責任だ。
こうして振り返ると、下半期も虚しさは残る。だが同時に、逃げてはならぬ課題もはっきりした。2026年は、覚悟の年だ。働く者が報われ、真面目が馬鹿を見ず、国家が国家として矜持を持つ。
その一歩を、ここから踏み出さねばならない。そんな2025年の私の10大ニュースである。G oto


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