細胞農業

培養工場でステーキ肉が。家庭で好みの味や成分の肉が。
もう何年前になるでしょうか。30年以上にはなるでしょう。
中東のイスラエルでの話です。砂漠で良質なタンパク質を確保するには……
ネゲブの砂漠にある「ベングリオン大学」で、そんな議論の渦中にいたことがあります。
ベングリオン大学とはイスラエル初代大統領を冠し、
大学創設は「砂漠で人が暮らせるため」の研究を目的にしていました。
私が訪ねた研究室は「地中海の海水を持ち込み」何層もの池を作り、
バイオ技術で海水を浄化し「魚」の養殖を試みる実験でした。
そのバイオ技術は「マイクロアルジェ」(微細藻類)がベースでした。
ネゲブの砂漠で良質なタンパク質を求め「魚の養殖」で人が生きてゆけるように。感動でした。
それが、今では「細胞農業」という新語が登場。生きた動物に頼る畜産業から
細胞培養によって良質で「食べたいだけの肉」を作る「培養肉」の技術が可能に。
地球上の人口、11年に70億人を突破、2100年には110億人と見込まれています。
食糧問題が、人類の最大の課題になることは間違いありません。
人口が多い中国やインドなどの新興国で肉の消費量が増えれば、
家畜の餌である穀物が大量に必要となります。
それだけでも、国際紛争になる可能性があります。
そんな大きな話でなくても、高齢化する日本でも、このところ、
老人が健康を保つには、良質なタンパク質である「肉」を食べるのが良いと
肉の消費量がウナギのぼりです。最近、私も肉を好んで食べます。
「培養肉」の研究は世界中に広がっていますが、
日本では東大と日清が「培養ステーキ肉」の共同研究を進めています。
2025年には「最高級の国産牛」と同等のステーキ肉が食卓にお目見えしそうです。(日経)
それだけではありません。
人類は素晴らしいです。「培養肉が人類を救う」そんな発想の研究が進み、
「誰でもが肉を作れるようになる」時代がそこまできているそうです。
米国ではバイオ研究者が技術を開示、初心者が家庭で見よう見まねで
肉を育てる動きが相次いでいるそうです。
20X X年には、食卓の肉は培養工場で大量生産された肉か。
家庭で好みの味や成分を自作した肉が並ぶのか………「細胞農業」の進化は
「培養肉」を生み出し世界の食糧不足、肉不足を解消するかも知れませんね。
イスラエルでも「細胞農業」の研究が進んでいるでしょうねぇ。
一度、イスラエルに行ってみるか。Goto

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