日本復活の起爆剤

トヨタ・実証都市「ウーブン・シティ」に移り住んでも良い・・

今月25日・静岡県裾野市でトヨタが手掛ける実証都市「ウーブン・シティ」がついに始動した。300人規模からのスタートではあるが、ここには人類の未来に直結する壮大な挑戦が込められている。

私はこの取り組みを心から高く評価したい。そして願わくば、日本の主だった企業がこぞって参画し、政府が規制を外して全面支援する未来志向へ転換して欲しいと強く思う。

トヨタは18年「競争相手はもはや自動車会社だけではない。GoogleやApple・Facebook(X)のようなテクノロジー企業もライバルだ」と宣言した。
自動車メーカーからモビリティカンパニーへと自らを転換する覚悟を固め、このプロジェクトを始動させたのである。その決断の重みを私たちは忘れてはならない。世界の自動車産業のトップ・日本の基幹産業の方向を決める発言だから。

この実証都市は自動運転やロボット、AI、スマートホームといった次世代技術を、実際に人が生活する場で実証・実装する「未来の社会の試作モデル」だ。
単なるちゃらけた夢物語ではない。むしろ停滞感が漂うこの国にとって、喝を入れる存在であり、日本発の次世代モビリティ社会の実現に向けたラストチャンスだと言ってよい。

日本はデジタル分野で主要国から大きく遅れをとった。忸怩たる思いを抱く国民も少なくない。孫正義氏がソフトバンクで孤軍奮闘してきたが、それだけでは世界に伍するには足りない。ここでこそ、日本の総力を結集しなければならない。
ウーブン・シティは、そのための格好の「舞台」なのである。

だからこそ私は言いたい。
自民党総裁選候補者は、真っ先にこの裾野の地を訪れるべきだ。
現場を視察し、未来都市を国家プロジェクトとして全面的に後押しする姿勢を示して欲しい。国民に向かって「この未来社会を日本がつくるのだ」と高らかに宣言する政治家が、いま必要だ。

同時に、マスコミももっと丁寧に報じるべきだ。
トヨタがどんな覚悟で、どれほどの資源を投じているのかを正しく伝えねばならない。ウーブン・シティはトヨタだけの実験場ではなく、日本全体が未来を共有し、参画すべき壮大な国家プロジェクトだからだ。

トヨタイズムーー困難に挑み、世界の先頭を走る姿勢。いま私たちが必要としているのは、この精神ではないだろうか。停滞気味の日本に喝を入れるべく始動した未来都市に、私は大きな期待を寄せたい。ここからこそ、日本復活の起爆剤が生まれると信じている。喜寿の私が裾野に移り住み、実験台になってみたいと思うほどに・・・Goto

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