新しい資本主義?

分配の為の成長戦略がまったく見えませんが・・・
まぁ・・目くじらを立てる話でもないのですが・・・
「鉄は熱いうちに打て」なのでしょうか、総選挙で信任を得たことに
気を良くしたのか・・・岸田首相の動きが早い。
肝煎りの「新しい資本主義実現会議」・・・「成長と分配の好循環」を
早期に実現するため最優先的に取り組む政策を緊急提言しました。
岸田政権が誕生してから総選挙を挟んで僅か1ヶ月足らずです。
総選挙直後の記者会見で「スピード感」を持って課題に向かうとは言うものの・・
「新しい資本主義」とは従来の資本主義とは違う概念を打ち出すのです・・・
資本主義を体系的に研究している学者の姿も見えません・・・大丈夫なのでしょうか。
菅前首相への批判に、国家ビジョンがないとか、理念がないとの批判がありました。
それを意識しているのでしょうか。「新資本主義」の他にも社会保障の考え方を
見直す「新たな全世代型社会保障構築会議」があり、デジタル社会を具現化させる
「デジタル田園都市国家構想実現会議」なるモノも立ち上がっています。
他にも小泉政権時に立ち上がり、国家の基本方針を財政から見つめる
「経済財政諮問会議」も動いています。これらの会議との整合性を図らないと
船頭多くして、船がどこに進むのか、分からないようになるのではと思います。
新政権です。理想を掲げたいのはわかりますが・・・
「新しい資本主義実現会議」がまとめた提言ですが・・・
私には・・・まだ、何が新しいのかが見えません。
提言からはどうも「成長と分配」を実現するのが・・新しい資本主義のようです。
取り分け・・・分配戦略の比重が高い。フリーランスの保護・同一労働同一賃金の徹底、
男女間の格差を無くすこと・・具体的には働き方改革ですよねぇ。
企業が生み出す付加価値に占める人件費の比率を示す「労働分配率」を欧米並みに
引き上げるよう企業に要請、その代替として税制上の支援をする・・
企業の利益は全て人件費に吐き出せっていうことです。
これが新しい資本主義ってことでしょうか。社会主義的国家統制のようです。
分配は分かり易いのですが、問題は成長戦略です。原資です。
原資がなければ分配はできませんから・・・
スタートアップ支援を強化してアントレプレナーを増やす。
10兆円の大学ファンドを組んで、起業を促進する。
国家が成長するためには起業が増えねばなりません。
それを成長戦略に位置付けるのは資本主義の原点です。当たり前のことです。
それが分配の原資になるのは・・・気の遠くなるような先の話です。
とても具体的な成長戦略とは言えません。
結局はある所から召し上げて分配するってことになります。
それ以外は増税しか方法はありません。新しい資本主義はまだ見えてきませんが・・
「実現会議」の提言を精査すれば、優良企業から増税し、それを広く国民に分配する。
即ち大きな政府論・社会民主的になるということでしょうか。Goto

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