産土の心

飛騨の棚倉・・・久しく訪ねていないなぁ・・・

世の中には偶然という素晴らしい出会いがあるものです。
先週の金曜日・45期の株主総会でした。株主の皆さんに、この1年間の活動を報告し、決算を提示申し上げ、ご理解を賜りました。ありがとうございます。

同時に新役員を選んで頂きました。株主の付託に応えるべく役員一同、
全身全霊を賭け「地域社会への貢献」という理念を貫き・・
業務に邁進する覚悟でございます。
一層のご支援、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

総会後、幹部諸君を交え、岐阜市内の老舗旅館で懇親会を催しました。
パーパスは確立しています。目指すべき目標は明確です。明日に向かって心を一つに気合いを入れました。コロナ禍の影響もあり久々のことです。

でも、私は若い人たちと、とことんお付き合いできませんので、
早めに席を離れました。古い街並みを歩いておりますと、えっ・・こんなところにおしゃれなギャラリーが・・・催されているのは「産土の心」と題した
「鉛筆画」の個展です。思わずギャラリーのドアを開けました。

画家が得意とするのは肖像画。実に繊細な線に・・へぇ・・写真以上だなぁ。
などと温かみのあるデッサンに見入りました。画家は肖像画を描く前には
里山の風景を中心に描いていたそうです。それが、風景の中に生きる人の姿に魅了され、肖像画に転向したとか・・・

私が・・・偶然の出会いに感謝したいのは・・・
展示されている鉛筆画に・私の心の故郷である・・飛騨の棚倉の風景が。
飛騨は山の中です。冬は雪の閉ざされます。棚倉には板で造った蔵「板倉」があります。その蔵には・約1年分の食料や種が蓄えられています。天災や飢餓に見舞われても棚倉では蔵を開いて周辺の地域に分け与えることができます。

種をもらった人々は、棚倉を「種蔵」と呼び感謝の気持ちから・・
いつしか棚倉地区を「種蔵」と呼ぶようになりました。
棚倉には現在・13世戸の家があり、住んでいるのは7世帯、
板倉は20棟・土蔵が1棟あります。

棚倉では「住む家を壊すことがあっても倉だけは守れ」「倉は食物や種物を保存し家族の命を守るかけがえのない宝物やから」との言い伝えが残っています。
その飛騨種蔵の鉛筆画に出会うことができました。
ずいぶん久しく、訪ねていないなぁと・・

画家は・・・飛騨種蔵の鉛筆画を描く心をこう綴っています。
風景はそこに住まう人の心映え。その心が造りだす風景は「日本人の産土(うぶすな)」ふるさとの心ではないか・・・楽で快適・便利で豊という時代の流れの中で、産土といえる風景がある場所は、時代から離れたところで静かに生きる人々が造り続けたものだと・・・そこに日本人が忘れたものが残っているのではないかと・・・

株主総会の後で、ふと見つけたギャラリーに展示されている・・
飛騨種蔵の鉛筆画・そのモノクロに込められた想いは、私も忘れていた「産土の心」を思い起こさせてくれました。これも株主の導きだと感謝しています。Goto

 

飛騨・棚倉の種蔵

産土の心_飛騨種蔵・鉛筆画

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