歯磨剤と高級箸

中小企業も「強み」を活かせば、まだまだ活路はあります。

もう15年以上前になりますか?
森林資源を大切にする一環として使い捨ての割り箸を使わないで、自分の箸を
持つ「MYHASHI」(まい箸)運動がブームになったことがあります。

私ごとですが・・・子供の頃、もう少し歯磨きに精を出しておけばよかったと
後悔するほどに、歯がボロボロ、インプラントと部分入れ歯のお世話になっています。これ以上は・・食い止めねばと。月に1回、近所の歯医者さんに
歯の手入れと申しますか・・洗浄に行っています。それでなんとか、
大好きな「あられ」も「せんべい」もバリバリと食べることができています。

「後悔先に立たず」と申しますが・・歯が悪いと何を食べても美味しくないですからねぇ。御同輩には・・手遅れかもしれませんが、歯の手入れは怠らず。
若い人には、人生今がいちばん若いのです。ぜひ、歯磨きには拘って下さい。

今日の話から随分ブレるのですが・・・
仲間がドイツ旅行から戻り「歯磨剤」(歯磨き粉)を土産にくれました。
彼曰く「磨く一回の量は米粒以下で良い。後味の爽快感がたまらない」使ってみろ・・・早速に試していますが、びっくりです。75年近く、日本メーカーの
歯磨剤(チューブ入りですよ)を使っていましたが・・

歯ブラシの上いっぱいにチューブから取り出していました。
それが米粒サイズで完璧です。どこが違うのか・・・わかりませんが・・
米粒量で十二分です。大量消費させたいメーカーの魂胆に乗っていたのかも知れません。日本の歯磨剤でもその程度で十分なようです。

いや・・余談でした。
今日の本題です。箸の話です。
食べ物を美味しくいただくには歯が大切ですが・・・
もう一つ重要なのは「箸」です。私は無頓着で、食べ物を摘めればどんな箸でも良い。いい加減にそう思っていましたが・・・良い箸で食事をしますと、
料理が美味しくなります。いや、なるってことを知りました。

日本企業の99.7%は中小企業です。
日本経済の大きな支え手だと、政治の分野では・・・評価するのですが。
実態は、大企業に大半が吸い取られて、青息吐息が現状です。
そんな中でも、持てる技能を他に転用して活路を見出す中小零細企業があります。

木造住宅の減少で大工道具づくりの需要が年々減少する中、
創業87年の大工道具製造会社は・・・硬い木材「黒檀」を加工して
高級「箸」を製造。静かなブームになっています。

食べ物が掴みやすく「口の中に運んだ時に繊細で柔らかな口当たり」
木工技術の真髄が箸に魂を吹き込んだ・・・そんな箸です。
平均単価は1万円。アフターフォローが徹底され、削る直しや磨き直しを
無償で提供しています。製造会社の社長は「気にいってくれたら一生ものとして
使って欲しい」と胸を張る。

今では、箸の生産は年間1万8000膳。
特にフランス料理のシェフらを中心に海外での評価が高く「口当たりが滑らかな箸は、腕利のシェフが素材にこだわり時間をかけて作った料理の邪魔をしない」
そうです。19年にはフランスのパリに直営店を出店したそうです。

地方の小さな大工家具製造会社が・・・その技術に磨きをかけながら・・
高級箸で世界市場に向かって行く。凄い話ではありませんか。
どんな中小零細企業も、強みがあります。その強みを活かすことに
情熱を傾ければ・・・まだまだやれることはあります。

食べ物を美味しく頂くには・・・良い歯磨剤を使って歯磨きを怠らず、
そして、高級箸とは申しませんが、一生モノの箸を使うことではないかと
思うこの頃です。Goto

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