衝撃、34歳NY市長、急進左派当選

民主主義が健全に機能ている証左か?

米国最大の都市、ニューヨークで驚くべき選択が下された。34歳、ウガンダ生まれ、イスラム教徒の民主社会主義者、ゾーラン・マムダニ氏が市長に当選した。政治経験は州議会議員としてわずか5年。だが、この青年を押し上げたのは「怒り」ではないか?

貧富の差、物価高、家賃高に苦しむ市民の憤りが、既得権益と富裕層を優遇してきた政治への拒絶として噴き出したのだ。その矛先の象徴が、トランプ大統領である。「億万長者に甘い国」「不動産王が政治を操る国」——ニューヨークはその象徴の街である。

マムダニ氏は「富裕層に課税を」「市営バスを無料に」「家賃値上げを凍結せよ」と訴えた。これは単なる左派政策ではない。トランプ政権で深まる格差社会、関税による物価高への直接的な反逆の意思であった。

トランプの関税政策は、結果として労働者層の生活を圧迫し、都市の物価を狂わせた。そのツケを払う形で、市民は“トランプ的資本主義”を否定し、“マムダニ的社会民主主義”を選んだのではなかろうか。

つまり、この選挙はニューヨークという都市の戦いであると同時に、米国の方向を占う思想の戦いであった。富の偏在と腐敗文化に終止符を打て、という叫びが青年を市長にした。彼の掲げる「弱者のための政治」は、世界最大都市の“暮らしの再構築”への挑戦である。

そして、ここに見えるのは、米国民主主義の底力でもある。リベラル層の理想論ではない。現実の生活苦に根ざした怒りが、行動となって現れた。

思えば日本も同じ構図だ。物価高、住まいの不安、賃上げの遅れ。だが、我が国はむしろ右傾化の方向に向かい、論理的な解決より精神論が先行してはいないか。

ニューヨークのダイナミックな変化は、民主主義がまだ生きている証である。市民が自らの暮らしを守るために政治を変える——。この「トランプ批判からの変革」は、東京の、そして日本の未来を映す鏡でもある。Goto

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