ジャズ

大野俊三さんお帰りなさい。トランペットの響きに日本の戦後史が蘇りました。
「地の底のヤマ」・・・労働省(旧)を退官して作家転じた西村建さんの書き下ろし小説です。若い人には・・響かない内容かも知れませんが、戦後日本のエネルギーを支えた「石炭」、三池闘争の舞台となった九州大牟田の盛衰を「警察官」の目を通して綴る日本の戦後史です。
先日、友人が・・岐阜県出身で世界的なトランペッターがいる。彼のジャズコンサートをやるから、聴きにこないかとの誘いを受けました。そもそもが音痴。ましてや、ジャズなんて、私の領域ではないと、思いつつ、同世代でニューヨークに渡り「国際作曲コンペ・最優秀賞」に日本人初で輝いた・・・優れもの。
里帰りコンサートとあっては行かぬわけにはまいらぬ。ってな思いで、人生で初めて、ジャズコンサートに行って来ました。素人用に演出してくれたのでしょう。日本の曲「朧月夜」や新世界「家路」など・・・・トランペットの響きに哀愁を・・・感動でした。
「私の人生において岐阜は大切な意味を持っています。1949年、国全体が深い廃墟から回復しつつある時に生まれました。岐阜城は如何なることにも揺るがない意志、強さを象徴しています。金華山高くそびえ立ち、過去からの多くの戦争、経済の窪み、自然災害、それら幾多の歴史の渦中で・・・
民衆の喜怒哀楽を見つめてまいりました。この姿は我々岐阜庶民の中に脈打つ心意気・気概でもあると思うのです。この自然豊かな土地柄・人の中で生まれ育って来たことが、私自身の今までの人生の紆余曲折、困難をも跳ね返し、生き抜いてくることができてきた大きな要因であったように思えてなりません」
「今年2014年の国際作曲コンペテションに応募した自身の作品「武蔵」が、全世界2万人の応募者中から選ばれ、国際グランプリ大賞受賞しました。今日それを持ってわが故郷岐阜に帰ってくることができたことを光栄に思います。これは我々岐阜の人間が、何者にも負けない人生の戦士であることを証明できたものと思っています。
またこの受賞によって、世界中に岐阜の名を知らしめることができたことは、何よりも嬉しく思います」・・・・世界的トランペッター大野俊三さんの「ドリームコンサート2014」にあたっての挨拶です。
40年前に海を渡り、ニューヨークで音楽活動を続け・・・世界をまたに活躍する同世代。トランペットの響きに・・いや・・・ジャズのリズムと・・・九州福岡・三池炭鉱。故郷を深く愛する男の物語「地の底のヤマ」とがダブりました。大野俊三さん・・ありがとう。Goto
IMG_2233.jpg

コメント