老害

日本人は遅刻にどの程度、寛容なのか?                     
ささやかなニュースをなぜ、天下の読売新聞、編集手帳で扱ったのか?
疑問に思ったので、考えてみた。答えは、国際的に名が知れた美術家って、
寸暇を惜しむほどに忙しく、有無を言わせぬほどに偉いのかと、嘲笑しているのですね。
まずは顛末を。兵庫県西脇市の「岡ノ山美術館」が会館アピールで特別展を企画。
その目玉に、同市出身の世界をまたにかけて活躍する美術家(編集手帳から)
横尾忠則さんの「横尾忠則・西脇幻想展」をと意気込んだ。
メイン作品制作日の18日。制作会場に横尾大先生をお連れする美術館職員、
粗相があってはならじと、時間に余裕をみて、会場に早く到着した。
一方、別の場所から美術館職員が材料を運び込む段取り、予定より遅れて着いたのだが、
大先生、「俺を誰だと思っている」と仰ったかどうか。定かではないが。
「30分も待たせるとは何事か、創作意欲が失われた」とご立腹。
さっさと引き上げてしまったと。
美術館側。作品制作が進まず、現状では特別展が開催できない。
「美術館の不手際で展覧会に相応しい出品ができず、
ご迷惑お掛けし申し訳ありません」と平謝り。
大先生のご機嫌が直り、作品が出品されるまで、無期限の延期だそうな。
編集手帳氏、遅刻で許される時間って、一体何分なのか。
地球上では国民性の違いで様々だが、ドイツ5分。フランス・イタリア15分、
欧州の先進国でも遅刻に寛容な国とそうでない国がある。
では、日本では、何分なのか。氏の答えはない。
少なくとも横尾忠則大先生の遅刻、堪忍袋は30分ってことになるが、
日本人は欧米人のような合理性はない。待てる限度まで待つのが日本人の思いやりであろう。
このニュース。今時です。美術館職員が携帯で連絡を取り合っていたはず、
今どこにいて、あと何分で到着するか、ナビでわかるはず。
それでも、大先生がご立腹されたのは、遅刻とは別にあるのではないか。
誤解を恐れず申しますと、老害ですよ。老害とは人の痛みよりも自分の痛みを優先する
身勝手な老人のこと。82歳、彼も年老いて我慢することができず、身勝手で
短気になっただけです。でなければ、受けた仕事をやり遂げる自信がないから、
としか、考えられないのですが。多分、編集手帳氏もそう思っておられるのでは。Goto

コメント